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「介護保険料大幅上げ」増えるばかりの
社会保険料負担、その自衛策は?

【2020年2月18日】(社会保険、福利厚生、経費削減) 
 会社員の介護保険料が4月から大幅に上がる、と本日の日経新聞トップ記事にある。これは、増え続ける介護費をまかなうために、所得の多い人の保険料負担が増える総報酬割制度によるためだ。大企業だけでなく中小企業にもこの影響は及ぶ。大企業の健保組合だけでなく、中小企業が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)でも介護保険料が上がることになる。負担額の増加は、労使合計で年間12万円にも上る。
 介護保険料はこの10年間で約3割上がっているが、高齢化はこれからも進むことから、介護保険料や健康保険、厚生年金保険の社会保険料負担は今後も増えることは間違いない。制度の持続性を高めるためには給付の抑制も必要だが、法改正による高齢者の自己負担額の引き上げやサービス内容抑制も実現は見送られた。結局は、取りやすいところから取れとばかりに、企業と現役世代からの保険料負担にしわ寄せがくる。
 増え続ける社会保険料負担に対抗する自衛策として、近年、中小企業の経営者から注目されているのが「選択制DC(確定拠出年金)」だ。従業員が自分の老後に備える“自分年金”を積み立てる手段としては最も有利であるだけでなく、企業にとっても経費削減と福利厚生強化の一石二鳥になるからだ。
 「選択制DC」を促進する運営管理機関のワンストップパートナーズ社・蔀(シトミ)社長によれば、選択制DCを導入する中小企経営者には共通の特長があると言う。まず従業員のことを大切にしていること。退職後の老後まで目配りしているのはそういうことだろう。次に、事業経営が長期的に安定していること。さらに、従業員との信頼関係が強いこととに加えて、発想の柔軟性と知的好奇心があることだそうだ。これらは、盤石経営に共通の要素でもある。選択制DC(確定拠出年金)は、企業と従業員が協力して活用する制度でもあるので労使の信頼感を上げることにもなる。
 最近では、すでに全員加入型の一般的なDC(確定拠出年金)を導入していた企業が、選択制DCに切り替える例も出てきている。その背景には、確定拠出年金掛金の非課税枠(最大月額5.5万円)が余っている、つまり優遇措置をフル活用していないことで従業員には不利になっていることや、既存の運営管理機関が提供する投資信託商品等の手数料が高いために積立効果が損なわれていること等がある。すでにDC(確定拠出年金)導入済みでも掛金額が比較的低い場合には、選択制DC(確定拠出年金)の検討価値はあるだろう。

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