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「目標と実績がズレるからいい」とは?

【2020年2月13日】(目標管理、経営、売上利益計画) 
社長にとって最重要の仕事の一つが「経営計画書」の作成です。経営計画書はトップが描く「わが社の未来の設計図」であり、同時に外部関係者、株主や取引金融機関、そして内部関係者、役員・従業員に対する「未来の約束」です。だからこそ、経営計画書は社内外に発表し、共有することが必要です。未来の姿を実現するには、経営トップだけでなく社内外関係者の協力と支援が必要だからです。
社内では、社長の「経営計画書」に基づいて、各部署の担当役員から本部長・部長・課長という組織系統(ライン)に沿って、組織単位での目標達成計画を作成します。社長の経営計画書の中には、必ず長期事業構想があります。客観情勢の変化の中で社長のビジョンを発展させるために設定する長期計画です。そして、何年後にわが社のあるべき姿に繋げるために、そこからの逆算で、今期単年度目標(短期計画)を立てて各部署が実行に移す、となります。そして、単年度目標は、単に昨年比からの計画、過去の延長での計画ではなく、未来のあるべき姿から逆算した、未来への階段になるものが求められます。
その場合、往々にして、現状では達成が難しいような高い水準の目標計画が設定されることもあります。そうなると「競争が激しくなって計画達成が難しい」、「客先の事情が変わっているのだから、目標にこだわる意味がない」、「こんな高い目標で評価されると不利になる」という声が出てきます。そして、目標を下方修正しよう、という動きまで出ることがあります。
そんな声を上げる社員には“やりもしないで、できない理由や言い訳、自分の立場を、守ろうとするのは何事だ!!”と社長は一喝しなくてはなりません。
“そもそも計画目標を下方修正したり変更したりして、現状に一致させようとすること自体が根本的に間違っている。目標と実績がズレるからいいんだ!”
“ズレの原因は何なのか、先見力や行動計画の立案の甘さなのか、実行力・行動力の不足なのか、その原因究明を毎月、毎週、毎日考えて、次の手を打ち続けることが肝心だ。”
、“例え今期は計画未達でも、翌期からの目標精度を上げていき、何年後かのわが社のあるべき姿、ビジョンを実現する階段を上り続けるのだ。”という強いメッセージが社長から発せられるべきです。
掲げた目標にたどり着くために行動計画は日々変わっていき進化して構いません。現在の行動を是として、未来に掲げた目標を下げるのは本末転倒です。
目標と実績がズレたときこそ、意識と行動を本気で変えるチャンスです。

  (参考;「一倉定の社長学」プレジデント社刊)

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